ＡＳＵＫＡさんの命式を読む
月曜日に予告いたいましたように、今日は番外編としてチャゲ＆アスカのアスカさんが、なぜ覚醒剤に手を出したかという理由を、命式表から読み解いていきます。
ただし、鑑定という立場ではなく、あくまでも読者諸氏の勉強の教材として解説していきますので、読者の方々も今まで習得した知識を駆使し、算命学の鑑定実践の経験を深められるようにしていただければ嬉しいです。
まず日柱『壬申』干支番号９から、アスカさんの基本的な性情をみてみます。
ポイント①
日柱天中殺は、戌亥です。
戌亥天中殺の人は、自ら家系の流れから飛び出す人です。
運気は初代運で、それも自力運で、独立して運を掴みます。
理想主義・空想主義の面が強く、大きな夢を持っているのですが、現実の厳しさや現実の苦しさから逃げやすい人です。
ポイント②
生年天中殺
年柱は戊戌ですから、生年天中殺所有者です。
生年天中殺は、親のエネルギーと本人のエネルギーが不自然融合になっているということです。
つまり、親から見てこの子は普通の子なのですが、本人から見ると親が何を考えているかわからず、まるで外国人をみているような感覚になり、全く親の人間性が理解できません。
その現象は、若くして故郷を離れるとか、両親と早く別れる（生死に関係なく）とか一人で生きていくことになり、結果として両親の助けは借りられないという現象が起こります。
そして、年支の上の干支から生まれる車キ星が陽占天中殺ということになりますので、この意味合いも押さえておかなければなりません。
陽占天中殺『車キ星』
要点だけ抜粋します。
自分勝手な人間性や、出所進退をわきまえない人間性を作ります。
良かれと思っての行動が、結果として組織や集団に嫌われる状況を作り出したり、指摘された欠点を自分自身は良く理解しているにも関わらず、素直に受け入れることができない心理状態になったりします。
十大主星のうちでもっとも精神的に不安定な世界であり、何かを理解する理性はあるのですが、攻撃性という本能が別に存在し、攻撃のための攻撃や理由のない反抗を生み出したりします。
環境や周りの意見に左右されやすい面があり、何の根拠もなく憧れるままに全精力をつぎ込んでしまうため空回りしやすく、時間もエネルギーも浪費する結果になります。
車キ星（陽占天中殺）は、意志や人間性に関係なく休息や後退ができず、時として超人的な活躍を見せてくれます。
憧れや夢を人生の目的として突き進んだとき、見事な世界が形成されます。
注：この陽占天中殺が今回の事件の直接的な要因の一つだと考えてください。
ポイント③
陽占十大主星
人体星図の 北：車キ星（陽占天中殺）
中央：鳳閣星
南：鳳閣星
東：車キ星
西：龍高星
中央の星、鳳閣星と北と南に出る星車キ星。また、西に出る龍高星は七殺の関係です。
この中で龍高星と鳳閣星は、精神的に最も大きな葛藤が生まれます。
ポイント④
陽占十二大従星
人体星図の中年期の星が天胡星
中年期の天胡の意味合いは、人生が正反対の方向へ急に変わりやすい人です。
30代40代に現象がはっきり顕れます。
不真面目人間➡真面目人間
真面目人間➡ 不真面目人間
現実主義者➡精神主義者
精神主義者➡現実主義者
自分勝手な人ですが、現実力量が弱いため、現実対処力が無く現実から逃避しやすい。
ポイント⑤
陰占命式の全柱が陽干
全柱陽干の意味は、現実を全力、全速力で生きる人です。
しかし、裏腹に天剋地冲がある場合は、現実の破壊者となってしまいます。
アスカさんは、日柱壬申、月柱甲寅ですから天剋地冲ではありませんが、対冲ですから現実破壊に準じる現象が表れやすいとみます。
また、年支戌と月支寅は半会ですが、今年は午年ですから後天運で三合会局が揃います。
現実力量が最大になるのですが、それを発揮する手段が無い場合は、自分のエネルギーで自分を押し潰してしまうことがあります。
このくらいの項目を鑑定すれば、今回の原因が命式にあることは明らかです。
算命学は、自分に起こる出来事は全て自分の命式の中にある。としています。
今回は正式な鑑定ではありませんので、改善策やこれからのアスカさんの人生を予言することはしませんが、復帰し活躍する可能性は大いにあります。
その場合は、天貴星が働くので、今までの彼のイメージとは少し違った形をとることになります。
また、57歳から大運６順目に入りますので、復帰には両親の寿命も含め、公私共に大きな精神的な苦労が伴いますが、６０歳を過ぎる頃には運勢が好転する可能性が大きい（天胡星から外れる）ので、鳳閣星を活かし、のんびりゆったり頑張ってもらいたいものです。
まだまだ見るところはありますが、今回はこのくらいにしておきます。
皆さんもみなさんなりに、考えてみてください。
所見
アスカさんは、苦しさや厳しさから逃避するという弱さが命式表からは読み取れます。
また、空えばり的虚勢を張る人でもあるようです。
理想が高く、それを達成した快感も経験しているので、曲が書けないとかで世間にアピールできなくなる現象を経験し、その現実から逃避しようとしたのでしょう。
夢の中（陽占天中殺）に居て、夢を見ているのです。
はやく現実に返って、潔く罪を認め、再出発に備えることを希望します。
彼には、人には無い才能があるのですから。
2014-05-22 創喜