算命学10分レッスン(74日目)
天中殺のメカニズム
人を表す記号として、肉体が干、時間が支ということを考え出したのが、東洋哲学の偉大なところです。
しかし、空間(肉体)を表す記号が、10コ(十干)であるのに対し、時間を表す記号が12コ(12支)あります。
現在を生きている人は、干という空間を占有し、支という時間の制限を受けて生命を維持しています。
人間というエネルギー体は、干支で表されているのです。
時間(支)の上に、空間を占有する肉体(干)が乗っているのが、生身の人間というわけです。
支の上に乗った干は、干と支を組み合わせて作られます。
甲子、乙丑・・・・・というようにです。
しかし、ここでちょっと考えてみてください。
十干と十二支を順に組み合わせて行くと、支が2つ余ってしまいます。
例)
甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸
子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥
上記のように時間の記号である戌・亥が余ってしまいます。
しかし、肉体を持つ人間にとって、時間だけが流れて行くことはありえませんので、戌・亥の上には干を詰めて行くことになります。
便宜的に詰められた干と支は、お互いが不自然な関係ですから、これを不自然融合と言います。
例)のような作業を6回続けると、各並びには不自然な融合が必ず2つづつ出来てしまいます。
このようにして出来上がった6つの並びが、それぞれ天中殺といわれるものです。
干支番号1~10 戌亥天中殺
11~20 申酉天中殺
21~30 午未天中殺
31~40 辰巳天中殺
40~50 寅卯天中殺
51~60 子丑天中殺
天中殺は、空間が無くなる時間範囲ということで、人の人生にとって極めて大切な考え方です。
仏教や四柱推命などは、天中殺を空亡という言い方をしていますが、同じものです。
天中殺にはこのような理論的背景がありますので、決して恐ろしいものではありません。
また、占い師の方たちは、何か驚かそうとするのか、好んで不吉な言葉を使います。
大殺界などというおどろおどろしい言葉です。
心配いりません。天中殺という言葉も、殺という漢字が何か不吉さを感じさせるのですが、人生の深呼吸時期だと考え、ことさら重大に思わないことです。
深呼吸は次なる攻撃に備えて、息を整える時期ですから、当然アグレッシブな行動はできません。
次回から、天中殺について深く掘り下げて行きます。
2013-06-02 創喜