算命学10分レッスン(1007日目)天中殺論その6

算命学10分レッスン(1007日目)天中殺論その6

 

自然界を支配しているエネルギーは、無形のものと有形のものに分けられます。

無形というのは、目に見えないエネルギーで、陰占と呼ばれているものなどがそれに当たり、有形は目に見えるもの、すなわち陽占の十大主星で顕される本能に基づいた行動がこれに当たります。

そしてその二種類のエネルギーは、時間のエネルギーと空間のエネルギーに大別されます。

人がこの世で生きるということは、時間(時代)と空間(自分を取り巻く社会)が必用不可欠な要素なのです。

そこで算命学では、五行論と陰陽論から空間のエネルギーを10個に分け、宇宙の自然空間にそれぞれ記号(甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・壬・癸)を付け、十干として十方世界を作りました。

時間は、木星の公転周期から天空の時間を12分割し、それぞれに記号(子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥)を付けて時間を表示できるようにしました。

これで、無形のエネルギーも有形のエネルギーも目で見えるようになったのです。

そして、記号化されたこの2つのエネルギーは、自然界においての現象の全てを包括出来る、すなわち宇宙の中にあって最大でもあり最小でもあると考えました。

時間は、瞬間の瞬間の連続ですから、瞬間を捉えれば最小なのですが、悠久の時間に思いを馳せれば最大となります。

同じように、空間も人間個人の肉体と考えた場合、個人が占有する空間としては最小なのですが、人が存在する宇宙全体を空間と考えれば、最大の空間現象と言えます。

この十干(空間)と十二支(時間)が陰は陰、陽は陽として結びつくと60種類の干支が生まれます。

これを算命学では、六十花甲子(ろくじゅっかこうし)と言っていますが、私は60干支と言った方が分かりやすいと思いますので、敢えて六十花甲子という言葉は使いません。

この60干支の中で生命を得て、それを持続させている状態は、自然界の中での最小の空間と最大の空間、及び最大の時間と最小の時間以外の何者でもありません。

少し分かりにく理論ですが、「宇宙に果てはあるか」という普遍的な疑問を考えると分かりやすいかもしれません。

これに正しく答えられる人は、恐らく地球上にはいないと思われますが、算命学のこの理論は、この疑問に対する一つの答えを導いています。

つまり、最大で最小の空間と時間の組み合わせは、有限と無限という矛盾する概念を融合させた法則論となっているのです。

無限の世界(最大)は、精神世界を大切にする東洋(日本=東西南北理論)と、西洋の物質中心(有限=最小)の思考の差から生まれてくる法則理論です。

算命学は中国で生まれたと考える時、果たして中国人に精神世界という自覚があったかどうかが問題になります。

中国の歴史は、王朝の変遷を何度も繰り返した異民族統治の歴史です。

そのため、そこに住んでいた人たちは、極めて現実的な考えをしなければ、生きて行けませんでした。

精神性を高めている余地はありませんでした。

そのため、五行論も極めて現実的な分類であり、神代日本の五行よりも進歩的なものとなりました。

つまり、現実の世界で使いやすくなったので、宗教性から離れ占いとしての価値が上がったのです。

五行論の原点は日本の縄文時代(神代)にある、とする私の持論ですから、賛成でない方は前記11行は、読み流してください。

さて、無限と有限の世界を自由に行き来できる空間と時間は、それを融合させて60干支を作る時に、自然に融合した干支がある中で、不自然に融合した干支が存在することが発見されたのです。

理論的な観点から60干支を見た時に、10個ある空間と12個ある時間の組み合わせは、空間と時間の回転数(空間6回、時間5回)が違い、食い違いが生じてしまうと当たり前のことでした。

続きは次回に。

2016-04-12

創喜