劇的復活 オートレーサー森且行さん
2020年11月の日本選手権において“オートレース日本一”の快挙を達成した元SMAPの森且行さん。
“SMAP脱退時に誓った日本一”の約束をアイドルから転身後24年目にして見事に果たしたのです。
その直後、栄冠から一転、命に関わるほどの大事故に見舞われてしまいます。
この事故でオートレーサーの命ともいえる両足に麻痺やしびれが残ったのですが、不屈の精神でこれを克服し、再びオートレーサーとして今年4月に執念の復帰を遂げたのです。
“森さんの波乱に満ちた半生”を算命学の観点から考察していきたいと思います。
森且行さん
1974年2月19日生まれ (49才男性)
【命式表】
(陰占)
辛 丙 甲
卯 寅 寅
乙 甲 甲
戊 戊
丙 丙
(陽占)
司禄星 天報星
禄存星 司禄星 司禄星
天馳星 牽牛星 天報星
天中殺:午未天中殺
総エネルギー量:269
排気量:2.33
車幅:130
スピード:0.48
守護神:己 庚 壬
まずは、幼少期からこれまでの略歴を紹介していきます。
彼は幼い頃に母親が家を出ていく形で父子家庭となり、中学2年生で兄と共にジャニーズ事務所に入所します。
SMAPが結成された1988年は、強い力量を発揮する方三位の年運でした。
2旬目1989年からも方三位となる大運で、以下のめまぐるしい10年間を過ごします。
[・連続ドラマ初主演を務める ・CDデビュー ・芸能界引退 ・養成所入所 ・走行訓練中に金網に激突し、左股関節脱臼骨折の重傷 ・デビュー戦を1着で飾る ・新人王決定戦で優勝 ・結婚 ・子供誕生 ・ポカリスエットCM出演]
3旬目1999年からは己巳で守護神廻りですから、物事が順調に運びやすく運の安定も保つ10年となります。
[・2000年後期にはオートレース最上位のランクであるS級となり一流選手に仲間入りします。
・ユニクロのCM ・オートレースイメージキャラクターとしてCM出演 ・幾多の優勝を果たす
・2008年には腰の手術]
4旬目は東と中央が半会、西は破となっているので、前進力しようとする想念をあらゆる手段手法で実行し異次元融合していきます。
通算400勝となった2011年には、律音が廻っています。彼にとっては継続と新しい変化の始まりであり、内面もおおきく変わった年だったといえます。
2013年か2014年頃には彼の女性問題から、妻と息子はアメリカに移住して別居生活となっていて、現在は離婚調停中ということです。
2016年には、不倫相手との写真が週刊誌に載りました。“不倫相手“との交際宣言を堂々と行い、現在は不倫同棲をしているそうです。彼には干合である丙が3つあり、司禄星3つ、そして禄存星は最も稼働していますから、”彼は至って自分に正直な生き方をしている“というのが、算命学の見解から思うところです。
5旬目は東と中央の半会が継続、西は大半会です。予定外の好結果に恵まれる大運中に、2020年11月の日本選手権オートレースでのSG初優勝は、日本一という快挙となりました。
(オートレースの競走格付けにおいて、最高位に格付けされた競走)
間もない2021年1月には、大事故に巻き込まれてしまいます。レースでバランスを崩した選手に接触する形で転倒し、コースの外側へ吹き飛ばされフェンスに激突してしまったのです。
骨盤骨折・腰椎骨折・臓器の損傷もあり、5度の手術を経て、胆のうの全摘もしています。
命に関わるほどの怪我をしたために、このとき彼は「死を覚悟した」と言っています。
事故・手術の影響で両足に麻痺が残りましたが、必死のリハビリを続け、2023年4月6日に川口オートレース場にて2年3か月ぶりの復帰を果たします。
6日7日と連勝を収め、準決勝戦進出を果たします。しかし、準決勝で落車により左腰を強打したため、優勝戦に進むことは出来なかったのです。
宿命の特徴と森さんの波乱の関係性を探ってみました。
- 身弱の星 天報星2つ 天馳星
幼少期と壮年期が天報星(3点)、晩年期が天馳星(1点)と三分法では3つとも力量の弱い星となっています。彼は身弱の星だけではありますが、この点差が少ない状態というのは、バランスのとれた強い心を形成します。
天報星は多芸多才の星で、好奇心が強く様々なことに興味が移りやすく、チャレンジを繰り返します。
チャレンジすれば何でもできるのですが、幼少期の天報星は何をやっても満足できず、1つのことに集中して打ち込むことが難しいという面もあります。
彼がアイドル時代に歌や踊り・演技と多様な仕事をこなすことで無尽蔵の力を発揮する一方で、幼稚園の頃の夢であるオートレーサーへの思いは持ち続けていました。
天報星のエネルギーを輝かせ中年期以降に花を咲かせるポイントがあります。「一生続けていきたい!」と思えるものをみつけ、辛抱強く1つのことに集中することです。
彼はアイドルではなく、オートレーサーへの道を選択し、それに向かって辛抱強く集中してきたのです。
しかし、二面性・波乱に富んだ人生を意味する天報星が、2つ以上ある場合は、変転変化の運気が強くなり、型通りの人生を歩むことは難しくなります。そして、その分波乱に強くなりフットワークが軽くなっていきます。彼も望む望まざるにかかわらず、変化に翻弄されているように思います。
また、天報星が壮年期にある場合は、エネルギー的に物足りなさがあります。ゆえに、肝心の勝負所で「挫折感」を味わう可能性が高く、改めて人生を見直す事態となってしまうのです。
彼も次々と降りかかる波乱により、幾度となく人生を見直してきているのではないでしょうか。
天報星は変転変化の星であり、変化を柔軟に受け入れ成長につなげる力を持っています。
彼が何度でも這い上がっていくことを可能にし、乗り越える度に更なる成長を遂げていることは天報星の特徴といえます。
晩年期の天馳星は、瞬間的なパワーを発揮し、そのパワーは天将星に匹敵する程の力です。持続性はありませんが、瞬間的に力を集中させる特長も、オートレーサーとして最大限に生かしていると考えます。
彼の総エネルギーの269に対して、排気量が2.33と極端に少ないことと、車幅は130でスピードが0.48ですから、非常にアンバランスを抱えていることになります。
彼の人生行程は、周囲に影響を与えながら進むのですが、あちこちで接触した場合は、身弱のため自分自身が傷付きやすくなります。このことは2021年のレース事故の状況にオーバーラップしていると思いました。
- 守護神と大半会の廻る大運天中殺
彼は、3旬目で賞金ランキング10位、2008年には約4500万円の賞金を獲得しています。
さらに、4旬・5旬が守護神廻りの大運天中殺で、3旬が分離条件ですから、この大運天中殺は陽転の可能性が高くなり、実質的な物(お金)が手に入ることになります。
実際に、レースでは幾多の優勝をして賞金を獲得していますし、2020年の日本一となったレースでは優勝賞金1700万円を獲得し大成功を収めていることから、相当の蓄積(財産)があると考えられます。
大運天中殺に大半会ですから、異次元融合が正常に働かず、精神不安定や物事の結果が欠落する時期でもあり、運の上限や下限がなくなっています。期待もしていない大成功を収めたり、想像もできないほどの奈落の底に突き落とされたりする運気になっているタイミングでの優勝、そして2021年の落車事故だったわけです。
落車事故から今回の復帰までには、5回の手術、リハビリと壮絶な2年間を過ごされ、この度復帰を果たした森さんに執念を感じます。
陽転した大運天中殺を抜ける時の注意点として、力量以上の蓄財は大運天中殺中に手放さなければ、自分の器に戻ることができなくなり、身を滅ぼす可能性が出てきます。(悪くすると命を落とす事もあります)
彼は2024年から2028年にかけて、自分の器に戻っていかなければならないのです。
つまり、力量以上に入ったお金を手放すことが6旬目にスムーズに移行していくためには必要なのです。
この度の事故は、守護神廻りのおかげで大運天中殺が陽転しすぎることにブレーキがかかったのかもしれません。
彼は、パチンコや競馬・競輪・競艇を嗜み、「1年に幾ら」とそれらに費やす予算を決めているのですが2021年1月の落車事故の入院期間中「4か月で2年分使った」と告白しています。
事故から復帰までの2年間は、彼がさらに蓄財することにストップがかかり、徐々に彼の器に戻されているとも考えられます。今後も彼のレーサーとしての活躍をおおいに期待していますが、2028年までは6旬目にスムーズに入る準備期間として、お金をどんどん放出されることを願います。
- 守備と引力本能の偏り
陰占は木質地支一気格で、陽占は司禄×3 禄存星 牽牛星と偏りのある方です。
このようなタイプは、[人を喜ばせる→人から好かれる→ビジネスが上手くいく→お金が入ってくる]の繰り返しで、大きな成功を成しとげる特徴があります。
八門法の中心の禄存星は、何もない状態から輝き財を成し成功へと繋がります。彼が幼少期の父子家庭という家庭環境は、不満足な状態から人生をスタートさせたと考えられこの条件に当てはまります。
回転財の禄存星と貯蓄型の司禄星は正反対の性質を持つ引力本能の星です。この二つが組み合わさるとそれぞれの長所を活かせるので財運が高くなり、人を惹きつける魅力があるため大変モテル人なのです。
彼には、正妻のエネルギー(丙)が3あるのでその数だけ結婚離婚を繰り返しやすくなりますし、同棲や浮気など異性関係が激しくなります。
ゆえに、これまでの女性遍歴は、彼に与えられた宇宙エネルギーのあるがままに人生を生きていることになり、そのような環境は彼にとっては無理のない生き方なのです。
- 八門法と才能
彼は大のパチンコ好きで、競馬、競輪、競艇も嗜み、オートレースの合間を縫って各公営競技場でトークショーなども行っています。
才能を見てみると南天運の禄存星で、相場師として才能発揮となります。特徴として儲けと負けの差が激しいというものですから、まさにオートレーサー、パチンコ、公営競技を通して相場師の才能を発揮させていることになります。
運の型は、常に損得勘定をする青龍型でチャレンジ精神もあります。財布のキャパシティ以上に収入があるので、貯めすぎたお金の重圧で身が潰されないために、気前よく出費することが必要です。彼は、レースの合間にパチンコに通い、年間予算を決め公営競技も楽しんでいるということですから、今後も同様に気前よく出費されていくと良いことになります。
最も稼働しているのも禄存星ですから、何もない状態が輝きを生み、愛情奉仕とお金を回していきます。
[生きてさえいれば、大丈夫な人]ですから、これからもエネルギーを放出し、ファンに喜びを与え続けていくことでしょう。
辛卯は古木の精といい、天干が辛で小さな刃物とみて、地支の卯は地上部分が刃物で切られていますから、芽を出そうにも出せない草木と見ます。地支に子はありますがいっこうに芽が出ない状態です。
すなわち、生まれた時の状態のままでは運が開けませんので、自分自身の力で運を切り開く[自立創家の一代運の干支]とされています。
親に頼ることなく、彼自身の力で進んできた結果が彼の飛躍へと繋がっているのです。
最後に彼の伴星である龍高星が、彼に与えられた恩恵として大変マッチしているのでお伝えします。
「新たに物事を創り出す力があり、先祖から知識力・判断力といった恩恵を受けています。
常に変化を求め、世界観を広げながら人生を過ごすため、日常生活が安定せず、いつも変化し続けている環境に適しています。」
彼に相応しい恩恵を受けて、しっかりと宿命を輝かせる生き方をされていることに感銘を受けます。
今後も能力を発揮して、周囲を巻き込み、大いに存在感を発揮されることを願っています。
森且行さんの生き方と宿命との関係を読み解く中で、今あらためて算命学の奥深さに感動しています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

創喜塾鑑定士 滉果