『宿命天中殺がないから平凡な人生』って本当??その②

『宿命天中殺がないから平凡な人生』って本当??その②

草間彌生さん鑑定の2回目は、草間さんの代名詞ともいえる水玉誕生までの経緯を、生い立ちと算命学を絡めてお伝えいたします。

 

【命式表】

  陰占

丙 丁 己

寅 卯 巳

甲 乙 丙

戊   戊

丙   庚

3  4  6

    陽占

                 調舒星 天禄星

龍高星 玉堂星 貫索星

天貴星 石門星 天恍星

 

〈天中殺〉

戌亥天中殺

幼い頃から花や植物をスケッチすることが大好きだったという草間さん。長野県松本市で種苗業を営む、比較的裕福な家に生まれましたが、父親の放蕩と母親からの心身への虐待で、とても恵まれた環境で育ったとはいえなかったそうです。

戦前の保守的な思想の家庭で、とりわけ性的なものは嫌悪され、草間さんは男性や男性を感じさせるものに恐怖心を持つようになってしまいました。

複雑で安心感のない生育環境の中、幼少期より統合失調症を発症し、視界が水玉や網目に覆われ、動植物が人間の声で話しかけてくる幻覚や幻聴に襲われるように…。

草間さんの才能は北天運で、その中身を表す星は調舒星です。感受性、つまり感じる能力が才能です。草間さんが苦しんだ幻覚幻聴は統合失調症によるもの、と医学的に診断されているので、そこについて深掘りすることはしませんが、才能の強い発露による影響も大きいのかなぁ、と、鑑定士としては思ったりします。

また、北天運の調舒星の感じる能力とは、観察力、洞察力、評論などですが、実践はからきし駄目だとされています。しかし草間さんは、自分を苦しめるものや恐怖から逃れるために、なんと自らの手でそれらを再現し凝視し始めます。

水玉や網目、人間の声で話しかけてくる動植物のイメージを、紙に描きとめるようになったのです。

わたしからすると、目を背けたい、無かったことにしたい、逃げたい、と思うものではないのか?と不思議なのですが、

『恐怖の対象となるフォルムを、いつもいつも作りつづけることによって、恐怖の感情を抑えていく。』

という、逃げるより立ち向かう方を選んだ草間さん。そしてその行為が、彼女の精神を落ち着かせてくれたそうです。つよい。。。

つづく

次回:最終回

〜現実と宿命のシンクロニシティ〜

をお届けします。

凛木先生

創喜塾鑑定士  凛木