相撲道へ邁進する大波三兄弟

相撲道へ邁進する大波三兄弟

大波三兄弟の三男、若隆景 渥さんは令和4年3月春場所で初優勝しました。新関脇としての優勝は86年ぶりの快挙だそうです。これまで全く相撲に興味を持たなかった私ですが、千秋楽の優勝決定戦をたまたま見て、その粘りのある相撲に感動し、それ以来応援をするようになりました。

長男は若隆元 渡さん、次男は若元春 港さんで、名字が大波であることから大波三兄弟と言われます。兄弟三人が力士ということに興味を持ち、家族、兄弟関係を中心に鑑定してみようと思います。

三男 若隆景 渥さん  1994年12月6日生まれ 29才 

 

陰占

 

  丙 乙 甲

戌 寅 亥 戌 申

亥 甲 壬 戊 酉

  戊 甲 辛

  丙   丁

  3  12 11

 

陽占

    龍高星 天庫星

龍高星 車騎星 鳳閣星

天貴星 玉堂星 天馳星

 

総エネルギー 213

排気量     5 

車幅     77

スピード   0.36

 

宇宙盤 一位 機型・昇型

 

次男 若元春 港さん  1993年10月5日生 30才 

 

陰占

  己 辛 癸

子 未 酉 酉 戌

丑 己 辛 辛 亥

  丁 

  乙

  56 58 10

 

陽占

 

    禄存星 天貴星

貫索星 鳳閣星 鳳閣星

天南星 鳳閣星 天貴星

 

総エネルギー  195

排気量     9.33

車幅      82 

スピード    0.42

 

宇宙盤  二位 祟型

 

長男 若隆元 渡さん  1991年12月29日生 31才 

 

陰占

  癸 庚 辛

戌 酉 子 未 戌

亥 辛 癸 己 亥

      丁  

      乙

  10 37 8

 

 

陽占

 

    龍高星 天庫星

龍高星 貫索星 車騎星

天胡星 玉堂星 天禄星

 

総エネルギー  171

排気量     6.67

車幅      69

スピード    0.4

 

宇宙盤  三位

以後、若隆景・若元春・若隆元とし、敬称を略させていただきます。

 

大波家三兄弟の母親、大波文子さんは元小結の若葉山貞夫さんの次女として生まれました。大波政志さん・若信夫(わかしのぶ)という元幕下力士と結婚し、三兄弟が誕生しました。

 

考察① 両親との関係

 

まず、三人の母親の星を探します。

若隆景「乙」、若元春「丁」、若隆元「庚」

次に父親の星です。

若隆景「辛」、若元春「癸」、若隆元「乙」

 

若隆景と若隆元は月柱に母親の星があります。月柱は家系を現しますから、母親の家系から生まれています。また、若隆景と若隆元は月干に母親の星がありますから、母親を意識し、母親を超えられないと感じています。

若隆景と若隆元は母親を子育ては上手ですが、成人しても子どもに干渉しやすい母親と見ています。

若隆景は父親を子どもの頃は大変良い父親ですが、大人になってもあれこれと世話をやく父親と見ています。

若隆元は父親を正直者でユーモラス、憎めない父親と見ています。

若元春は母親を子育てはそれほど上手くはないけれど、成人してからは良き理解者と見ています。日柱に母親の星がありますから、兄弟の中で一番母親とは仲良しです。

若元春は父親をどっしりと落ち着いていて器が大きく、雄大な感じのする父親と見ています。また、父親が年干にいますから、父親を意識し、父親を超えられないと感じています。

 

若隆景と若元春は父親が母親を剋していますから、見た目は父親が強いとみております。実際には数理法で点数化すると若隆景は母親19点、父親20点と少しの差ですから、対等か、少しだけ父が実権を持っていると見ます。若元春は点数化すると母親28点、父親13点で、見た目は父親が強いが実権は母親が持っていると見ています。

若隆元は母親が父親を剋していますから、見た目は母親が強いと見ていますし、点数化すると母親24点、父親11点となり、見た目も実際も母親が権力を持っている母親優位の家と見ています。

総合すると大波家は母親が実権を握っていると子どもたちは見ているようです。

これらは全て子どもから見た父親像、母親像です。

 

両親の星が三人とも命式にありますから、順当な両親です。

父親の大波政志さんの宿命には子どもの星がありません。文子さんの生年月日は分かりませんでしたが、三人とも文子さんのエネルギーにある子どもと思われます。

 

以上のことから、三兄弟は母方の家系から生まれ、祖父若葉山の家系を強く引いています。

祖父の若葉山(本名 岩平貞雄)さんは1922年北京で生まれ、幼少期に両親と生き別れ、両親を探すために本土行きを思い立ちますが、それを実現させるためには力士になるのが手っ取り早いと考え、入門を志願するも断られました。2年あまり北京の呉服屋で奉公に出て、やっと双葉山定次一行が大相撲巡業に来ることになり、入門を果たし力士になったそうです。

新入幕まで四股名を付けなかったのは、「岩平」のままで土俵に上がり、生き別れになった母親に自分の存在を知らせ、再会できるのではないかとの期待からだったそうですが、かなわなかったようです。

三兄弟はそのような祖父の家系から生まれたということは、何かご先祖様の大きな力、ご先祖様の様々な思いから生まれてきた兄弟なのでしょう。

 

考察② 兄弟の関係

 

若隆景は兄弟の星「丙」が日柱に1個あります。日柱にある星は仲が良い兄弟です。天貴星が導かれますから、自意識が強くしっかりとした兄弟です。

若元春も兄弟の星「己」が日柱に1個あります。仲の良い兄弟です。天南星が導かれますから、現実的な力量のある、気の強い兄弟です。

若隆元は兄弟の星「癸」が月柱に1個あります。月柱にある星は自分の心を支えてくれる、何かにつけて心の支えなってくれる兄弟です。天禄星が導かれますから、がっちり手堅く用心深い兄弟です。

 

さて、三兄弟は兄弟の星を1個づつしか持っていません。それぞれ誰を指すのか考えてみましょう。

 

考察③ 兄弟のシーソーゲームから

同じ性別の兄弟が3人以上生まれた場合は、生まれが奇数順の同性の子ども同士、偶数順の同性の子ども同士にシーソーゲームが起こります。

大波三兄弟で言いますと、長男の若隆元と三男の若隆景に起こる現象となります。

長男の若隆元は一番最初に相撲部屋に入門したのですが、幕下二十六枚目ということで、弟たちよりも格下です。番付から見ますと若隆景が運気が上がり、若隆元が運気が落ちていることになります。しかし、幼少の頃から若隆景、若元春のまとめ役となり、若隆景と若元春はしょっちゅう喧嘩をしていたそうですが、若隆元の言うことは二人ともよく聞いたそうです。

若隆景が優勝した時は若隆景の付け人を務め、相撲に集中できるようにサポートしたということです。優勝した時は涙を浮かべていたそうです。

きっと、弟の晴れ姿を心の支えにして、自分も頑張ろうと気持ちを新たにしたことでしょう。最近は3場所連続で勝ち越しています。

以上のことから若隆元のエネルギーにある兄弟は若隆景と判断します。

 

若隆景の兄弟の星からは天貴星が導かれます。天貴星は長男の星とも言われますから、

自意識が強くしっかりとした兄弟は長男の若隆元と見ます。二人の陽占を比べますと非常に似ておりますから、お互いを理解しやすい関係と思われます。

 

若元春の兄弟の星は現実的な力量のある、気の強い兄弟というところから、若隆景と見ます。

兄弟の星がない兄弟とは縁が薄いと見ますが、この三兄弟は若隆景を中心にしてつながっている兄弟です。

 

考察④  宇宙盤より

 

宇宙盤は第1領域で三人とも重なりがありますから、お互いに理解できる良好な関係であります。

 

まとめ

 

母親の文子さんが講演で三人について、若隆景は負けん気が強い、若元春はのんびり屋さん、若隆元はまとめ役と語っています。

陽占を見ればそのことが良く分かります。若隆景の中心星と稼働させる星は車騎星です。

車騎星は前進力、行動力、スピード、義侠心、強靭な肉体が最大の武器の星です。

体重は幕内で下から3番目の130キロ、小兵力士は素早い左右の動きで、相手を揺さぶる取り口が多いのですが、若隆景は細身ながら真っ向勝負を貫きます。研究熱心で負けん気が強く、稽古は一斉手を抜かないそうです。怠惰な気持ちは堕落していると思う車騎星の精神性です。

父親は若隆景のことを学ぶ姿勢が人一倍強く、大相撲中継を欠かさず見て、父親の解説を聞いていたと言っています。父親の解説を聞き、そこから自分なりに解釈をして稽古で実践していったのでしょう。

 

若元春は中心星と稼働させる星は鳳閣星です。鳳閣星は自然体、自由人、のんびり、遊びの星です。8代荒汐さんが言っています。若元春はのんびりと楽天的。人の言うことは聞かないし、相撲で勝っても負けてもケロッとしている、のらりくらりとした性格でマイペースである。しかし、相撲の素質は三人の中では一番あるようで、最近結婚してからは人が変わったように稽古をしているそうです。

 

若隆元は中心星と稼働させる星は貫索星です。貫索星は平和を作るために現れる守備本能です。自分の相撲に集中し、弟たちも集中して相撲に集中できるようにサポートする、つまり、大波三兄弟が相撲人生を邁進できること、これが若隆元の最大の守りになるのでしょう。

 

大波三兄弟は祖父の若葉山の家系から生まれ、相撲一筋にお互い刺激し合い、支え合いながら相撲道へ勇往邁進していく兄弟です。今後の活躍を期待し、応援していきたいと思います。

 

3月場所がもうすぐ始まります。きっと様々な感動があるでしょう。また、4月には神宮奉納大相撲があります。昨年は中止でしたが、今年は開催する準備を行っているようです。絶対に見に行って力士たちを直接見たいと思います。

創喜塾鑑定士  芝蘭